Blueです
今回は、こちらの本を読みました。
SQ21: Singapore Queers In The 21st Century
おもしろいと感じた点、気付きも多かったので、頭の整理も兼ねて記事にしていきたいと思います。
contents
■シンガポールでこの本が出されることの意義
シンガポールはアジアにおいて男性間性交渉を犯罪としている9カ国のうちの1つだそうです(女性間性交渉は犯罪とされていない)。
因みに、シンガポールの他、男性間性交渉を犯罪としているアジア9カ国はこちら。
- シンガポール
- バングラデシュ
- ブータン
- モルディブ
- パキスタン
- スリランカ
- ブルネイ
- マレ—シア
- ミャンマー
(参考元はこちら)
要すれば、欧米諸国のようなLGBTQ+フレンドリー(理解が進んでいる)国とは真逆な国。
この本は、そんなシンガポールで暮らす、LGBTQ+当事者(とその家族)が、自身(とその関係者)のセクシャリティーに関わる差別や葛藤、カミングアウト、とそれらを乗り越えて(或いはまだ葛藤しながら)懸命に今を暮らしている姿を描いています。
短編形式で構成されている。しかも、各章、夫々のポートレートまでついている。しかもどの人も本当に穏やかないい笑顔なんです。
実名入り・顔出しで、シンガポールで告白することへの勇気にとても感動を与えるものでした。
■どこまでも“日常”を描いている点に勇気づけられる
上でも述べたように、この本は、シンガポールに住む15人のLGBTQ+とその家族の告白、という短編形式で構成されています。
年齢層は20-30代が中心で、職業も俳優、グラフィックデザイナー、ITエンジニア、先生、等、様々な職業の人を対象に自身のセクシャリティーに就いての告白をしています。
そして、そこに暮らす人々が当たり前のように、葛藤や差別が描かれていて、それらに悩み、そして乗り越えている物語が記されてありました。
もちろん世の中Happy end(ハッピーエンド)やEver After(めでたし めでたし)な話ばかりではないのですが、どこにでもある“日常”を記すことで、シンガポールという海を越えた異国の地の方の話ですが、日本の話にも通じるものがあり、勇気づけられるものでした。
■変わりつつあるシンガポールから見えて来るもの
“21世紀を生きる”とは言えこの本が書かれてから既に10年以上の月日が経っています。
この本が書かれてからの10年の間にも、シンガポールの中で彼らは生きているし、国としてもいろいろな活動が進んでいるのだと思います。
シンガポールには、「PinkDot SG(ピンクドット・シンガポール)*」と呼ばれる、LGBTQ+を支援する為のイベントが2009年以降、毎年開催もされているのも一例でと思います。
(*)PinkDot SG: イベント参加者で集まって「ピンクドット」を形成し、包摂性、多様性、愛する自由への支持を示すイベント。 ピンクドットのイベントは、タイトルの形成に加えて、通常、LGBTコミュニティと大義を支援する組織が後援するコンサートパフォーマンスとブースを特徴としている為、シンガポールにおけるLGBTQ+関連のイベントの代表として取り上げられることが多いです。
少しずつ変わるシンガポールの姿にも、自分の国である日本の姿と重ねたい気がします。
そして自分にできる事は小さなことかもしれませんが、行動していきたいと思いました。
以上が、私がこの本を読んで感じた事です。纏めると、
■シンガポールでこの本が出されることの意義
■どこまでも“日常”を描いている点に勇気づけられる
■変わりつつあるシンガポールから見えて来るもの
日本でも、LGBTQ+への理解が進み少しずつ受け入れられ、誰もが生きやすい社会になればいいな、と切実に願っています。
それではまた次回の記事でお会いしましょう。
Blue