Blueです。
今回は、こちらの映画を観ました。
https://www.phantom-film.com/m-m/about.php
「たかが世界の終わり」などで高く評価されるカナダの若き俊英グザビエ・ドランが、友情と恋心の狭間で揺れる青年2人の葛藤を描いた青春ラブストーリー。幼なじみである30歳のマティアスとマキシムは、友人の短編映画で男性同士のキスシーンを演じたことをきっかけに、心の底に眠っていた互いへの気持ちに気づき始める。婚約者のいるマティアスは、親友に芽生えた感情に戸惑いを隠しきれない。一方、マキシムは友情の崩壊を恐れ、思いを告げぬままオーストラリアへ旅立つ準備をしていた。別れが目前に迫る中、本当の思いを確かめようとするマティアスとマキシムだったが……。ドラン監督が「トム・アット・ザ・ファーム」以来6年ぶりに自身の監督作に出演し、主人公の1人マキシムを演じた。共演に「Mommy マミー」のアンヌ・ドルバル、「キングスマン ファースト・エージェント」のハリス・ディキンソン。2019年・第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品(by 映画.com より引用)。
本作の冒頭から、若い男性たちのやり取りで始まりますが、最初は違和感というか驚きから始まりました。
「設定が30代のカナダの若者の設定だけど、カナダ人から見てもこれが日常の風景なのかな?」とか
「異国の地(設定はカナダ)の、そしてストレートの友情の世界(つるみ方)ってこういう風にやり取りをするのか?」とか感じてしまうほど、実に別世界でした。
映画の最初は内容にエッジが効きすぎてあまり好きではありませんでした。
只、後半怒涛に追い上げで、好感度をガシガシ上げていってくれた感じでした。
結果、、、好きですね。爆
最後まで「30歳ってこんな風に乱暴に飲むの?」とか「30歳こんなにやりたい放題生きているっけ?」という思いが拭えない点もありますが、結果、それ以上に以下の点が描かれていて好きでした。
注目して欲しい点(面白かった点)を以下3点整理しておこうと思いますので、是非、ご覧頂ければ幸いです。
contents
■セクシャリティー自認への葛藤
作品の中では、主人公2人(MatthiasとMaxime)のセクシャリティーに就いての葛藤が描かれています。
特にMatthiasの葛藤がそれはもう、あからさまに、そして激しく葛藤していました。。
葛藤する2人の姿に、自分自身も葛藤していた頃を思い出していました。
私個人としては、今でこそ自分がゲイであることは認めていますし、ゲイであることを後ろめたく思うことも少なくなっていると思っています。というか、今では「だってゲイなのはゲイなのだし、仕方ないじゃん」という開き直っていますし、というか変えられないという事実を、歳を重ねるにつれて受け入れてこれた気がします。
それでも私にも昔、彼らのように悩み、葛藤していた時期も時期があったなぁ、と思い出させてくれました。
(ただ私の場合、それはMatthiasのように30代ではなく、13・4歳の中学生の頃でしたが…)
自分のセクシャリティーを認めるのが、怖くて、怖くて、たまらない時代もあったなぁ、と。
「なんでアイツのことが気になるんだろう。」とう戸惑いや、葛藤。
その頃の悩み、自問自答していた葛藤していた頃を思い出しました。
観ていてどこか懐かしい思いになりました。
■2人の友達が示す、2人への理解と反応
2人の葛藤を尻目に、2人の友人や家族は2人を理解し、サポートしていく姿がさりげなく、(それはもう極めてさりげなく)描かれています。
上でも述べたように、作品の序盤は、30歳という設定には少し自由奔放な描かれ方をしているような気がしましたが、ただ…後半、彼らが実にいい働きをしてました。
Maximeに思いもしない言葉で傷つけてしまったMatthiasに、友人がそれとなく償いの機会を上げるシーンや、旅立つMaximeを見送る際の、友人のもの分かり気な笑顔で見守るシーンとか。
「“ギャップ萌え”ってこういうことを言うのだろうなぁ」と観ているこちらがなんだか照れてしまうし、面映ゆい感じでした。
MatthiasとMaximeのように、状況を理解しそれでいて友情のあり方を変えずにいてくれる友達がいるということは、本当に幸せなことだろうな、としみじみと感じていました。
■友情が恋になる瞬間
自身のセクシャリティーへの戸惑いもあると思いますが、2人が葛藤していたのは、“友情”から“恋”に変わることへの葛藤や戸惑いもあったのだろう、と観ていて感じました。
男でも女でも友情から始まる恋って、戸惑うしとても悩むのではないでしょうか。
これまでの友だちとしての関係があるからこそ、それを壊したくない。でも気持ちに抗うことができない。そんなもどかしい気持ち。
これまた観ていてどこか懐かしい思いになりました。
以上3点が、私が注目して頂きたい点(面白いと感じた点)です。
最後に、要点を簡単にまとめると、
- セクシャリティー自認への葛藤
- 2人の友達が示す、2人への理解と反応
- 友情が恋になる瞬間
ご参考にして頂ければと思います。
今回の記事も、ご覧頂きありがとうございました。
それではまた次回の記事でお会いしましょう。
Blue
P.S.
横顔や斜め顔の描写が多くて、登場人物の美しい物憂げな描写に、見とれていたのは私です。